知って置くべき家やマンションの売却相場を調べる方法

日常的に物の流通において、高いものほど売りにくく、安い物ほど売りやすいという原則があります。不動産においては、定価はありませんが相場があり、高く売ろうとしてもうまくいくとは限りません。

 

相場に対して高すぎる物件は購入を検討してもらえず、安すぎる物件は売主が損をしてしまうため、相場を知って価格を適切に設定しなければなりません。

 

不動産の価格相場は周辺の土地の取引状況をもとに決められるため、近隣の似ている物件の取引価格が参考になります。売却の際に知っておくべき相場へのアプローチは地域の不動産会社や情報誌による情報や、インターネットで調べるという方法があり、特にインターネットで調べるのが簡単でおすすめです。

 

国土交通省の土地総合情報システムから調べる

売却に際して知っておくべき土地の価格相場をインターネットで調べる方法はたくさんあります。

 

その一つが国土交通省の土地総合情報システムを利用した不動産取引価格情報検索です。不動産管理が国土交通省の管轄だと知っている人は多くても、その国土交通省のシステムを利用して不動産取引の事例を確認することができる事を知っている人は少ないでしょう。土地総合情報システムという名称ですが、建物の物件情報を確認することも可能です。

 

まず、インターネットの検索エンジンで、「不動産取引価格情報検索」と検索し、国土交通省の不動産取引価格情報検索のホームページを開きます。画面の中央に「2、種類を選ぶ」という項目があるので、宅地の土地・宅地の土地と建物・中古マンション等・農地・林地から「土地と建物」を選ぶと戸建て住宅や店舗、事務所などが検索でき、「中古マンション等」を選ぶとマンションの検索ができます。

 

「2、種類を選ぶ」という項目の下に「3、地域を選ぶ」という項目があるので、売却を検討している家になるべく近い場所を選びましょう。

 

この検索システムで調べることができる取引価格情報は、国土交通省が過去の実際の不動産取引の当事者に対して行ったアンケート調査の結果をもとに、物件の特定が困難なように加工し、数値の丸め以外の補正は一切行われていない価格となっていて、3か月ごとに公表されているものです。

 

不動産取引において、売却価格は敷地の面積や土地の形、面している道路評価や取引が行われる時期など様々な要素で変化するため、近隣の土地であってもその売却価格には差が出る事もあるという前提で参考にすると良いでしょう。こちらのシステムで検索できる取引件数は、不動産取引による登記情報を取引単位で国土交通省が集約し、地域ごとや取引があった時期ごとに集計した件数となっています。

 

土地取引件数は宅地の土地・宅地の土地と建物・農地・林地、全ての土地の取引件数で、マンション等取引件数は戸単位である区分所有物件の取引件数となっています。検索する際に種類を「すべて」で検索した場合は、そのすべての取引の合計取引件数となっています。

 

レインズの取引情報検索から調べる

レインズというデータベースを知っている人は少ないでしょう。不動産会社が利用している不動産データベースの事で、レインズには過去1年間の不動産取引の情報を公開しているサイトがあり、不動産会社でなくてもそのサイトを利用し、近隣の不動産取引について調べる事が可能です。

 

まず、インターネットの検索エンジンで「レインズ取引情報検索」と検索しホームページを開きます。マンションの検索と戸建ての検索から選択できるので該当する方を選び、都道府県や地域を選択して検索することが可能ですが、残念ながら選択不可能な都道府県が多いのが現状です。

 

その理由としては、検索対象となる取引件数が100件を超えなければ表示されないためで、調べたい土地の属する都道府県の検索ができない場合は、国土交通省の土地総合情報システムや、この後で説明する不動産ポータルサイトなどを利用して調べると良いでしょう。

 

調べたい土地が属する都道府県が選択可能な場合は、都道府県を選択し「検索する」をクリックすると、注意を促す表示が出るので、内容を確認の上「OK」をクリックします。

 

表示される検索結果は、直近1年の取引情報グラフや追加検索条件などで、その下部に該当する物件情報が表示されるという形です。追加検索情報を指定することで、地域や間取りはもちろん、沿線や駅からの距離、築年数などで絞り込むことも可能となっており、非常に便利です。

 

こちらの画面では検索結果が100件を下回っても一覧で表示されるため、売却を検討している土地に近くなるように検索条件を設定し、繰り返し再検索を行うと良いでしょう。

 

こちらのシステムによる検索結果では、戸建ての場合は沿線や最寄り駅、駅からの距離、所在、売却価格、土地面積、建物面積、間取り、築年数、成約時期や用途地域まで確認することが可能で、マンションの場合は沿線、最寄り駅、駅からの距離、所在、1㎡あたりの単価、専有面積、間取り、築年数、成約時期、用途地を確認することが可能となっており、比較しやすいという魅力があります。

 

一括査定サービスから調べる

これまで紹介した、国土交通省の土地総合情報システムを利用して調べるという方法と、レインズの取引情報検索から調べるという方法は、近隣の不動産取引の事例を参考にするため、実際に売却する際の価格とは差が出てしまったり、近隣に同じような土地の取引事例がないなど参考にならない可能性もあります。そういった問題を解消する方法として、不動産会社の査定サービスを利用して調べるという方法があります。

 

査定サービスはほとんどの不動産会社が提供しているサービスで、売却する際の価格を設定するために欠かせない業務であるため、費用も掛からないという場合がほとんどです。しかし、土地の高低差や家の状態などをどのように評価するかと言うのは、査定をする不動産会社によって差があるため、全く同じ価格になるといったことはありません。

 

そのため、相場を知っておきたいという目的で不動産会社の査定サービスを利用する際には、複数の不動産会社に査定を依頼しその結果を比較することで、その平均をとったり、高すぎる結果や安すぎる結果を除いた査定結果を参考にすると良いでしょう。一社ずつ依頼をしなくても一括査定ができるサイトもあるため、ネットで申し込み電話かメールで結果を受けとることができる簡易査定を利用するのも有効です。

 

査定価格は取引前の価格であるため、買主との交渉や購入を検討する買主がなかなか現れない場合などの自主的な値下げする必要がある事もあり、実際の取引額と異なるケースはありますが、対象の物件の価格を査定するため、近隣の土地取引の価格を参考にするよりも精度が高いと言えます。

 

それでも、査定する不動産会社によって査定結果に幅があることと、実際の売却の際には値下げしなければならない可能性もあるため、売却する場合は売り出し価格は高めでも、実際の売却価格としては平均の価格や平均よりやや低めになると考えておくのが無難でしょう。

 

不動産のポータルサイトから調べる

他にもインターネットを利用した売却価格の相場を知っておく方法として、不動産のポータルサイトを利用して調べるという方法があります。

 

不動産取引を扱っている不動産のポータルサイトといえば、アットホームやスーモなど多くの人が知っている全国規模の大手不動産会社のサイトから、地域に密着した小規模な不動産会社のサイトまで、物件情報を確認してその地域の相場を知っておくことに役立つサイトはたくさんあります。

 

どのサイトでも地域を選択して、間取りや面積、沿線や最寄り駅、最寄り駅までの距離、住宅設備、築年数等の条件を指定して検索すると、条件に合う物件の情報や写真、地図などを表示してくれるという点で共通しています。物件によって登録されている不動産会社が違うため、複数の不動産会社のポータルサイトを確認して情報を集めるのが一般的です。

 

しかし、売りたい側としてポータルサイトを利用しようとすると査定画面に進んでしまうため、物件情報を見る事はできません。つまり、不動産の取引相場を知っておくために不動産会社のポータルサイトを利用する場合は、買いたい側としてポータルサイトを利用することで、現在売りに出されている物件の情報を得るという形になります。

 

不動産会社のポータルサイトを利用して売りに出されている物件の情報を参考にする場合には、注意しなければならないことがあります。それは、ポータルサイトで売り物件を検索して得られた結果は売主が希望する売却価格であるという点です。売主の希望する売却価格で取引が成立する場合もあれば、売主の希望する売却価格では買いたいと考える人が出てこず、売れないといった場合もあるため、得られた情報よりもやや低い価格を相場として考えると良いでしょう。

 

売却価格が高いとなかなか買い手が見つからずに売れ残ってしまう可能性があり、長期間売れないままであれば徐々に価格を下げるなどして再掲載されることもありますし、買主による値下げ交渉により売却価格が下がることも珍しくありません。

 

相場についての基礎知識

家を売る場合、不動産会社が買主を探し一般の買主に売却する仲介と、不動産会社が家を購入する買取の2種類があります。

 

家やマンションは取引方法として仲介の方が一般的で、物件ごとに状況が違う上に、リフォームやリノベーションによって価値が上がるなどの特徴があり、相場事情も特殊と言えます。そんな不動産相場について知っておくと役に立つ知識をいくつか紹介します。

 

 

一つ目に知っておくべきなのは、仲介と買取における相場についてです。

仲介の場合は仲介手数料が発生するのに対し、買取の場合は不動産会社が買主となり仲介はしていないので仲介手数料は発生しません。その分、仲介は売却価格が高く、買取は売却価格が安いという傾向があります。

 

不動産会社にとって、買取の場合仲介手数料という利益が無く、転売する際の差額によって利益を出さなればならないため、売却価格はかなり安くなります。仲介でも買主が見つかるのであれば、仲介手数料を考慮しても仲介の方が高く売却できます。一方買取の場合は安くなるというデメリットはありますが、確実に売れるというメリットがあるため、なるべく早く売却したい場合には有効です。

 

二つ目に知っておくべき事は不具合と修繕の影響です。

家は古くなるにつれて設備の老朽化や雨漏りなどの不具合が発生し住宅としての価値が下がっていきます。そういった問題を解決するためにリフォームやリノベーションをして回復するのが一般的です。不具合がある状態では価格が下がり、修繕によって価格が上がるのは当然ですが、近隣の不動産取引を参考にする場合、不動産会社のポータルサイトで物件を見る際に「リフォーム済」の物件が目につく程度で、取引事例を参考にした相場にはそういった情報が含まれていません。

 

そういった点では不動産会社による詳細査定がより詳しく家の状態をチェックするため、売却価格として正確な相場を把握できると言えます。

 

三つ目に知っておくべき事は家の相場は徐々に下がるという点です。

家は古くなると価値が徐々に下がるため、基本的には相場も徐々に下がってしまいます。また、築浅の物件の方が下がり幅が大きいと言えます。

 

まとめ

たくさんの土地や家がありますが、全く同じ家と言うものは存在しません。すべての家は唯一無二で、価格を設定するのは難しい事ですが、家の建築費用や新築購入などに相場価格があるように、家を売却する際にも相場があります。

 

売主はより高く売却したいと考える一方で、買主はより安く購入したいと考えるため、売主と買主では損得が反します。そのため、公平に取引しようとするのであれば相場を知って、相場に頼るのが最善策です。

 

しかし、そうはいっても人口減少などによって住宅需要は落ち込んでいるという現状もあり、ライバル物件も数多あるため、その価格競争によって、売却するために売主が値引きせざるを得ないといったケースも少なくありません。そして結果的に、相場の価格で売り出したとしても、買主が見つからなかったり買主からの値引き交渉があったりして相場よりも少し安い価格での成約になりがちであるという傾向があります。

 

さらに、こういった流れは時代背景に左右されることも多く、これから先の何十年で住宅価格が高騰していくとは考えられず、今後家を売却するのはより困難になるのではないかと予測されています。そのため現時点でできる事と言えば、適切な相場を知っておくことや、相場により近い価格で売却することと言えるでしょう。

 

相場を知っておく方法としては国土交通省の土地総合情報システムやレインズという不動産会社が利用するシステムを利用した調べ方がありますが、近隣の事例を参考にするという形になるため、より正確な売却価格を知っておきたい場合には、不動産会社の査定サービスを利用するのが誤差が少なく確実と言えます。

 

その場合、不動産会社によって査定に幅があるため、一社だけに査定を依頼するのではなく、複数の不動産会社に査定を依頼するのがポイントとなります。一括査定サイトであれば一度に複数の不動産会社の査定結果が得られるため、とても便利です。簡易査定であれば情報を入力したその日の内に査定結果が出る会社も多いため、売却相場を知っておくためのツールとして非常に有用です。