家や土地の査定から引き渡しまでの一連の流れについて

家や土地を売却するには、一定の流れに沿う必要があります。売却にはいくつかの方法がありますが、最も多い売却方法は仲介によるものです。仲介は不動産会社が売主と買主の仲介をし、売買を成立させるものです。その他、オークションや個人売買などの方法もありますが、仲介以外で売買される物件の割合は多くはありません。

 

土地に関しては登記上の地目があり、宅地・雑種地・原野については普通に売買が可能です。農地と山林の売買は制約が多く、特別の配慮が必要です。家や土地の査定から引き渡しまでの流れは、不動産会社の調査から始まります。さらに、不動産会社との媒介契約、売り出し価格の設定、営業、内見、価格交渉を経て売買が成約し、登記と決済、引渡し等が実行されるのが一連の流れです。

 

不動産会社に調べてもらう

土地や建物を売却する場合は、始めに不動産会社の査定を受けるのが一般的な流れです。不動産会社の査定は、土地や建物がいくらで売却できるかを想定することにより決められます。不動産の査定価格は固定資産税額の計算のように、決められた計算方式があるわけではありません。単純に大きさや広さだけから算出することはできず、取引の実情に見合った計算が行われます。

 

本来の不動産価格は、その不動産を最大限に活用した場合の収益等を参考に、不動産鑑定士により算出されます。しかし、民間における土地や建物の売買は、不動産鑑定士が決めた価格で売買されるわけではありません。実際の売買価格は、その時々の売主と買主の合意によって決められ、その価格を事前に想定するのが査定です。査定価格は不動産会社によって異なります。

 

査定の依頼は複数の不動産会社から結果が得られる一括査定を利用する方法が考えられます。その場合でも、査定価格は一定の範囲内の納まるのが通常です。不動産会社が査定で参考にするのは周辺の取引事例です。直近に売られた類似の物件を参考に、価格を算出するのが査定の流れです。建物の査定価格の算出は土地と比べて複雑です。

 

建築年数やリフォームの有無、傷み具合や間取り等も勘案し、査定価格が決められます。査定価格は実際に売却される価格とも異なりますが、売却に至るまでの一つの目安となるものです。査定価格は不動産鑑定士が算出する価格とは異なり、実際の売買価格を想定したものです。

 

不動産会社との媒介契約とは?

査定結果とその他の条件から、仲介を依頼する不動産会社を正式に決めるのが不動産売却の流れです。不動産会社が実際の仲介業務を行うのは、媒介契約を結んだ後になります。

 

仲介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の別があります。一般媒介契約は複数の不動産会社に仲介を依頼することができる契約です。自分でも販売活動を行うことができる、最も自由度の高い契約方法です。

 

その反面、特定の不動産会社に仲介を依頼するのではないため、どの不動産会社も販売に力が入らす、売却が遅れる恐れもあります。専任媒介契約は、一つの不動産会社に決めて、仲介を依頼する方法です。依頼した不動産会社の他に、自分でも販売活動ができます。特定の不動産会社に決めて仲介を依頼することで、不動産会社はやりがいを感じ、販売に力を入れることになります。

 

依頼を受けた不動産会社は契約した日から7日以内に物件の情報を指定流通機構に登録しなければなりません。また、2週間に一度、業務処理状況の報告を依頼者に対して行わなければなりません

 

専属専任媒介契約は専任媒介契約よりも一部の条件が厳しくなります。

 

専属専任媒介契約を結んだ場合は、依頼者が自分で販売活動を行うことができず、販売は契約した不動産会社に任せなければなりません。

 

指定流通機構への登録は5日以内に、業務処理状況の報告は1週間に一度、行わなければなりません。仲介契約の期限は3ヶ月です。依頼した不動産会社や契約方法を変えたい場合は、その時に行うのが売却へ向けた流れです。

 

売り出し価格と売れるまでの期間の関係

不動産会社との媒介契約が済むと、実際の販売活動が始まります。販売活動では、始めに売り出し価格を決めるのが不動産売却の流れです。売り出し価格を決める場合、査定価格が実際の売り出し価格にそのまま移行するとは限りません。売り出し価格は物件を高値で売るための戦略を元に価格が決められます。販売戦略は一つではなく、また、売主やその他の事情によっても異なります。

 

一般に売り出し価格は査定価格よりも高値が付けられます。物件の売却においては値切り交渉がされる場合があり、それを見越して売り出し価格を高めに設定するのが一般的です。売り出し価格を高めに設定するのにはリスクを伴います。売り出し価格が高いことにより、売却までの期間が延びることも想定されます。売主が早期の売却を希望している場合は、売り出し価格を抑えて提示し、購入希望者を募る方法が考えられます。

 

売主が早期の売却を希望していない場合は、売り出し価格を高めに設定し、長期戦に備えるのも戦略の一つです。不動産の売却には鮮度が存在します。物件が売りに出され、一定期間売れない場合は、購入希望者は値下がりを期待して待ちの状態に入ります。その場合は価格が負のスパイラルに入ることになり、条件は不利になります。

 

売り出し価格は一度公開してしまうと、その後は値下げされることはあっても、値上げされることは期待できません。初めから安くしすぎると、高値で売れる機会を逃してしまうことになりかねません。かと言って、不相応に高値にしてしまうと、潜在的な購入希望者を逃してしまうことにもなるので、売り出し価格の設定は慎重に行わなければなりません。

 

不動産会社の営業パターン

売り出し価格を決めたら、いよいよ売出しが始まります。不動産会社は土地や建物を売るために特別の営業を行うのが一般的です。専任媒介契約や専属専任媒介契約を行った場合は、不動産会社はレインズと呼ばれる不動産流通システムへの物件の登録を義務付けられます。そのことにより、全国の不動産会社に情報が知られることとなり、売却につながる可能性が高まります。さらに、不動産会社は独自の営業も行います。

 

不動産は一定の地域に存在しているので、営業も地域に絡んだものとなりがちです。営業活動は一定の地域に限定した形で行われるのが不動産売却の一般的な流れです。実際の営業活動としては、広告、チラシ、情報誌への掲載、自社サイトへの掲載、自社顧客への紹介等があります。近年のインターネットの普及は著しく、購入希望者が物件を探す場合でも、インターネットの利用が増えています。不動産会社の多くは自社のサイトをつくり、売却物件の公開を行っています。

 

不動産の売買は、地元の事業者や地主等の有力者が中心となるケースが見られます。物件の質により、不動産会社は自社の優良顧客に紹介することで、物件の販売につなげる活動を行います。不動産の売却は、不動産会社のかかえる人脈が大きく影響する場合があります。地元に有力な人脈を持つ不動産会社は販売に強く、人脈に乏しい不動産会社では販売力が弱いことが多く、不動産会社により販売力に違いがあることを売主は認識する必要があります。

 

購入希望者への内見の受け入れ体制

 

営業が功を奏して購入希望者が現れた場合は、実際に物件を見てもらうのが不動産売却までの流れです。土地の売却の場合は、購入希望者がその土地を実際に見て判断することになります。雑草等が生えているなど、購入希望者の印象を悪くすることは避ける必要があります。土地と建物の両方を売却する場合は、購入希望者による内見が行われる場合があります。

 

だれも住んでいない建物であれば、不動産会社が売主の許可を得て購入希望者を案内することになります。

 

現在住んでいる建物の売却では、使用中の建物の内見が行われます。内見をする場合は日時を決め、当日は不動産会社の担当者が立会います。購入希望者から建物に関しての質問が出されることもあるので、売主も立ち会うことが望まれます。内見日に都合が付かない場合は、不動産会社の担当者のみが立ち会うことになります。購入希望者より内見の希望がなされた場合は売却のチャンスです。なるべく購入希望者の要望を聞いた形での内見を実現することが望まれます。

 

内見では当日の家の中の清掃、家具の片づけ等が必要かどうかに関して、不動産会社の担当者との打ち合わせする必要があります。内見では購入希望者から売主に対して質問が出される場合があります。質問に対しては答えられる範囲で誠実に答えることで、購入希望者の印象を良くすることが大切です。売却は購入希望者に対して行われ、不動産会社は単に仲介をするに過ぎないことを認識し、購入希望者を大切に扱うことが求められます。

 

買主と売主の価格交渉

販売活動の結果として購入希望者が現れた場合でも、売り出し価格よりも低い価格での売却を希望している場合は、売主と購入希望者による価格交渉が行われます。一般に、売り出し価格により売買が成立するケースは少なく、多くの場合は価格交渉が必要となります。売り出し価格を下げない前提で不動産会社に依頼することもできますが、売却のチャンスは少なくなります

 

物件の売買価格の交渉は売り出し価格を上限として行われるため、売り出し価格の設定は重要となります。

 

売り出し価格を上回る価格で売れるのは、購入希望者が複数現れた場合に限られ、そのケースは多くはありません。価格交渉をする場合でも、売主の事情が大きく影響します。売主が売却を早期に行いたい場合は、購入希望者の希望する価格で落ち着くケースが見られます。

 

売主が売却を急いでいない場合は、価格に関して強気を保つことができます。不動産の売却においては、査定価格から売り出し価格に至り、実際の売却価格が決まるのが価格推移の一般的な流れとなります。それだけ、始めの査定価格の持つ意味は大きくなります

 

不動産の売却では、仲介を担当する不動産会社の姿勢も大きく影響します。売りと買いの両方を行う不動産会社は売買に関して中立的で、早期の売買成立を目指す立場をとります。売却が専門の不動産会社の場合は売主の利益を最優先するため、なるべく高値で 売る立場を取ります。物件の売却においては、仲介を依頼する不動産会社の立場を注視する必要があります。